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皆さん、こんにちは。
元・海外FX取引所日本チーム責任者のサクライと申します。
私はもともと海外FX取引所の立ち上げメンバー及びマーケティングとカスタマーサポートの責任者として働いていました。
その中で実際に目にした耳にした感じた海外FX取引所の実態を、余すことなく皆さんにお伝えし、そして取引所を選ぶ参考にしていただきたく思い、「海外FXmap」の運営をしております。
顧客を負けさせるために海外FX取引所がやっていること
前回、海外FX取引所の売上は顧客の負け分と説明させていただきました。
今回は海外FX取引所はトレーダーを負けさせるための手段について解説いたします。
私が実際に目にした事象についてもお伝えさせていただければと思いますので、どうぞお付き合いいただければ幸いに存じます。
- スリッページ
- レート調整(レート調整)
- 約定拒否
- 出金拒否
- ストップ刈り
- ロールバック
- 口座凍結
皆さんも名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか?海外FX取引所をSNSで調べていると必ず出てくる言葉です。
どこどこの取引所はレート調整を行っているとか、ここの取引所は出金拒否を行っているとか…
海外FX取引所が行うことで顧客にどのようなデメリットが生じるのか、どのようなことが発生しているのか、そのときに海外FX取引所はどのように対応しているのか、実際に目にしたことについてお伝えいたします。
スリッページは普通に発生する
スリッページとは注文価格と約定価格に間にズレが発生することを言います。
注文をしてから約定されるまでの僅かな時間、サーバーに到達するまでの間に価格が上昇下落した際に、自分が思っている価格とは違う価格で約定する場合があります。それがスリッページです。
そのように聞くとスリッページは普通に発生するものであると思うかもしれませんが、海外FX取引所が意図的にスリッページを発生させることも可能です。
非常に簡単な方法で、注文してから約定するまでの時間、すなわちサーバーへの伝達速度を遅くすればいいだけです。
では実際に海外FX取引所は意図的にスリッページを発生させているのでしょうか?
答えはNOです。
約定スピードというのはどこの取引所も重視している部分です。
この部分を顧客を負けさせるために意図的に遅くするようなことはありえません。
またスリッページは顧客にプラスに動くこともあります。
そう考えると意図的なスリッページを発生させている海外FX取引所は存在するはずがないと言えるでしょう。
SNSでたまに見かける「スリッページがヒドイ」というコメントに関しては、価格急変時にだいたい同じタイミングで各社に対して見られるので、海外FX取引所は「データセンターの場所を増やしたり近くしたりするから許して(自分のネット環境も見ておいてね!)」という対応になることがほとんどです。
レート調整(価格調整)はある
スプレッドがある時点でASKかBIDの価格は調整しているので、その時点でレート調整(価格調整)は行っていると言えます。
皆さんが聞きたいのはそんなことではなくて、顧客が不利になるようなレート調整(価格調整)を行っているのか?ということですよね、すみません。
LP(リクイディティプロバイダー)の問題
複数のLP(リクイディティプロバイダーの略。インターバンクから価格を提供されている業者)の価格を平均化など調整して提供している関係上、どこかのLPの価格が届かなかったりすると、レートが大きくズレて異常値が発生します。
その時に約定してしまった場合には後ほど説明いたしますが、ロールバックなどの対応を行い、その価格や取引をなかったことにして対応いたします。
もしマイナスが出ていた場合にはラッキーですが、プラスになっていた場合にはそのトレードがなかったことになるので、「顧客が不利になるようなレート調整」となるわけですね。
特別口座が存在する場合も
特に発言力が強いIB(イントロデューシングブローカーの略)やインフルエンサーの場合には、「特別口座」が提供される場合があります。
この「特別口座」は発注できるロット数が大きい、スプレッドが狭いなどの利点があることが多く、その「スプレッドが狭い」というのがレート調整(価格調整)が行われているように見えることがあります。
海外FX取引所によっては、デモと実際の口座のレートが違う場合もあります。
通常はデモのほうがいい条件の場合が多いですね。
これはデモで勝ってもらっていい気分でお金を入れて欲しいからです。
約定拒否は原因の特定が大事
約定拒否が発生するケースはいくつかあります。
その原因をきちんと確認しないと、SNSの投稿に踊らされてしまい、間違った海外FX取引所を選んでしまうことにつながるかもしれません。
スリッページ発生の際にスリッページ0と設定している。
海外FX取引所によっては、スリッページの発生を0にする設定ができます。
これは実際にスリッページの発生を防ぐわけではなく、スリッページが発生したら約定拒否とする設定ですね。
その設定に気づかなかった場合には、注文が約定されず約定拒否された!となってしまうわけです。
ディーリングが新規 or 決済を不可に設定する
異常価格が出てしまった場合に、緊急でディーリング部門が注文をできなくする場合があります。
この場合にはある特定の人だけが約定拒否されているわけでなく、全体に影響がある状態です。後ほどアナウンスがあると思いますので、少々お待ちください。
このときに何度もサポートデスクに連絡をしても、サポートデスクも状況が分からない状態で、少々お待ちくださいと言うだけになってしまうので、あまり頻繁に連絡しても仕方ないのでやめましょう。
単純に設定を間違ってしまっていたという場合もあるので、一度は連絡してもいいかもしれません。
口座凍結もしくは凍結のために調査をしている
海外FX取引所は勝ちすぎた口座を出る杭を打つかのごとくチェックしています。
そして目をつけた口座が規約違反になりそうな行動をとった場合には、すぐさま利用停止の対応をします。
その調査のために一時的に約定を拒否している場合があります。
口座凍結については後ほど詳しく説明します。
理由なき出金拒否はない
SNS上で騒ぎになりやすいのが、この出金拒否ですね。
ただ理由のない出金拒否に関しては正直ほとんどありません。
大体騒いでいる人については、「規約違反と言われており口座凍結されている」「確認に時間がかかっている」「本人確認書類に問題があるので再度提出を依頼している」「希望する出金方法が使えずに他の出金方法を依頼している」などの理由で、きちんとカスタマーサポートに連絡をすれば理由を教えてくれます。
注意していなくてはいけないことは、別のトラブルが発生している場合には、返信が遅くなってしまうことがあるということです。
焦る気持ちは分かりますが、カスタマーサポート部門は必死に対応しているため、3営業日くらいはゆっくり待ちましょう。
トップ刈りはないと思いたい
これはレート調整(価格調整)のLP(リクイディティプロバイダー)の問題と実際に価格を調整してロスカットを狙ったという2つの原因が考えられます。
LPの問題であるならば、それはレート調整(価格調整)ところで説明した通り、ロールバックなどの対応がとられることがほとんどで、ちょっと悔しいですが仕方がないところです。
ただ意図的に価格を操作してストップ刈りを行ったとなるとこれは大問題であり、取引所としての信頼を根底から揺るがしかねないことです。
私の経験上、そのようなことはないとは信じています。絶対ないとは言い切れないのは意図的にストップ刈りを発生させた場合でも、LP(リクイディティプロバイダー)のせいにして、ロールバックを行うということができるからです。
残念ながら私のところまでは、そのような話は降りてきていませんでした。
ロールバックは受け入れよう
ロールバックについては基本的に悪いことと考えないほうがいいかと思います。
異常な価格が出てしまったときにその価格がなかったことにして、取引をしなかったことにするという対応です。
いい結果が出たときに戻されてしまうのはとても残念なことですが、悪意をもってロールバックを行うことはないかと思います。
「ロールバックをした」とアナウンスがあるため、それを受け入れましょう。
自分はロールバックの対象ではないかということを、カスタマーサポートに伝えて、調査してもらうのが良いでしょう。
口座凍結は一番注意しなくてはいけない
色々な海外FX取引所のやり方を説明してきましたが、口座凍結が一番注意しなくてはいけないことです。
何も悪いことをしていないのに口座凍結されたという話をよく聞きますが、本当に見に覚えがなく利益を出しているのであれば、それは海外FX取引所のやり方です。
先ほどお伝えいたしました海外FX取引所から目をつけられたアカウントは虎視眈々と口座凍結をする機会を狙われています。
そして利用規約と照らし合わせて理由が見つかったときに突然口座凍結を行われてしまいます。
その時の理由は利用規約に基づき凍結の対応をさせていただきました。となることがほとんどです。
なぜ海外FX取引所から目をつけられたのか?
では海外FX取引所から目をつけられるときはどういったときなのか?
それはあなたが利益を出しているときです。
前回お伝えした通り、ほとんどの海外FX取引所はABook(ノミ)行為を行っています。
これは皆さんの利益はそのまま海外FX取引所にとっては損失となります。
企業として自社の損失はできる限り減らしたいですよね。
だから口座凍結から利益没収し、入金した金額だけを返金といった動きになるのです。
では経営陣はどのタイミングで損失を減らしたいと考えるでしょうか?
大きな損失が出ているときです。それはすなわちみんなが勝っているとき。マーケットに大きなトレンドが出ているときです。
海外FX取引所による口座凍結については、どうしようもありません。
私も口座凍結にされるユーザーの方々を何度も見てきました。何度も本部に話をして、それでも決定は覆らず、本当に申し訳ない思いをしながらメッセージを送りました。
皆さんにできることは、海外FX取引所に目をつけられないように、一つの取引所で勝ちすぎないように複数の取引所に分散させながらトレードしてください。
また手数料との兼ね合いもありますが、利益は細かく出金することをオススメします。
口座凍結と利益没収はセットなので。
まとめ:悪意をもって運営している取引所は少ない
どの海外FX取引所も「あなただけ」を狙って価格操作や出金拒否をしていることは多くありません。
SNS上に散見される強い非難の言葉に惑わされることなく、それが発生している原因をキチンと理解して、海外FX取引所選びをしてください。
この件はどうなの?と思った場合にはお気軽に私までお問い合わせください。